分銅の形状による特徴の違いについて

円筒型の分銅は一般的には理科の実験や薬品の研究などに使用されていて、1グラムから20キロのものを量ることができます。天秤を利用して量ることで、物体の重量ではなく質量を量ることができるので、様々な用途で使用されています。これらの分銅は専用の容器に保存されているので、外気からの影響を受けにくいのですが、手で触るなどすると皮脂がついてしまうことで重さが変わってしまうことがあります。

少しの汚れによっても、重さに変化を与えてしまうので、計測結果に違いが生じてしまって、研究がうまく進まなくなる場合もあります。科学的な研究において、薬品の質量を量ることができる分銅は重要な役割があるので、ISO9000などで認証されているものを使用することになっています。また素材や制度によってランクづけされているので、精密さを要求する実験の場合には誤差が少ないものを使用することになります。

日本人が分銅と聞いて一番初めに思い浮かべるものは理科の実験で使った円筒形のものですが、1ミリグラムのものを量るためのシート型のものも作られていて、これは空気中の塵やホコリが付いてしまうと計量結果が全く違ってしまうので、厳重に保存されていて、石英で作られたシートの上に置いて、さらにそれをシャーレの中に保存することになっています。

工場などの現場で使用されているものは形状が全く異なっていて、円盤状の円周の部分に爪のような突起が付いているタイプのものが使用されています。この分銅は1000キログラムまで量ることができるもので、フォークリフトやクレーンなどを使って計量をします。これらの素材は基本的には磁気を帯びることの無いようにステンレスで出来ていて、この金属は静電気が起きないので、空気中の塵などを本体に付着することがありません。

真鍮で作られているものもあるのですが、価格が安いというメリットがあるのですが、計量できる重さが制限されてしまうのと、表面が変色しやすいので見栄えが悪いというデメリットがあります。このためほとんどの現場ではステンレスや高品質ステンレスが使用されています。円筒形のタイプは通常の場合はセットになっていて、ステンレス製のピンセットを使って天秤にのせるのですが、重たいタイプはフォークという道具を使って計量をします。これらは精度によって、特級、1級、2級、3級に分類されていて、1級と2級の製品では2万円程度の金額の差があります。